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エアロパーツ、ドレスアップのダムド|DAMD Inc

DAMD JOURNAL

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ダムドでつながる、世界の輪。 DAMD in THAILAND

 

東南アジアの中心に位置するタイで
ダムドは一歩ずつ確実に歩みを進める。

ダムド・カーが街を颯爽と駆けぬけ
人びとに笑顔をもたらしている。

まるで、ダムドという架け橋を通して
日本が育んだJDMカーカルチャーが
世界へと広がる象徴的存在のようだ。

その先には、確かな未来が待っている。

バンコクの雑踏をランウェイに変えて。

夕暮れどきのタイ・バンコク。色とりどりの露店や屋台がひしめき、大勢の人たちで溢れかえっている。エネルギッシュなその人波をかき分けるように、中国製の最新EVと、日本製SUVとが入り乱れて列をなす。合間を縫うように数多くのスクーターが家路へと急ぎ、いっぽうでは伝統的なトゥクトゥクが観光客をホテルへと送り届けている。「東洋のデトロイト」といわれるほど、モーターリゼーションが活性化したタイならではの光景だ。

 

そんな車列のなかで、ひときわ異彩を放つクルマがいた。真っ赤な車体には傷や汚れひとつなく、ベイビーギャングのような表情を持って、この混沌とした街をランウェイのように駆けぬける。ジムニーシエラのダムドコンプリートカー「little Δ. (リトル・デルタ)」だ。

 

この光景に象徴されるように、ダムドはこの地で少しずつ、しかし確実に溶け込みはじめていた――。

 

クルマの進化を見据えながら
カーカルチャーの深化を願う。

「タイはもともと、オートバイから四輪にいたるまで日本車が90%近いシェアを持っていました。しかし近年、急速に普及しているのが中国製のバッテリーEV(BEV)です。関税がかからず安価に購入できることや、バッテリーの永久保証といった強気のキャンペーンを打ち出すメーカーが多いことなど、その背景にはいくつもの要因があります。もちろん、BEVの性能自体も飛躍的に向上しています。私たちは、そうしたBEVをビジネスとして展開しつつも、同時にカーカルチャーを深める活動にも力を入れていきたい。だからこそ今回のショーでは、ダムドのコンプリートカーを強くアピールしました」

 

タイで数多くの自動車メーカーを取り扱う自動車販売店「TPM Auto Rich Company(TPM)」の代表を務めるNat (ナット) さんはいう。彼らは2026年3月25日~4月5日に開催されたバンコク国際モーターショー2026に出展した。その一角にはダムドのコンプリートカーが2台並べられ、紛れもなくダムド色の世界観に染められていた。日本のモーターショーと比べて「商談の場」という側面が色濃い会場で、ダムドの存在は来場者の視線を強く惹きつけていた。

 

TPMはタイにおいてダムドの輸入販売代理店を務めている。だからこそ一過性のモーターショーだけではない。本社ショールームには常にダムドだけの空間を設け、さまざまなコンプリートカーやパーツを展示し、グッズも豊富に用意している。それは単なる自動車販売店という枠組みを超えた、ダムドカルチャーの発信者のようだ。ゆくゆくは「ダムドパーティー・タイランドを開催したい」とまでいう。

 

もちろん、タイの人たちにとってダムドは決して安くない。タイにとって日本や欧米からの輸入車は、輸送費に加えて、高額な関税がかかる。ダムドのコンプリートカーであれば、日本での新車価格の約3倍にまでふくらむ。しかも、タイ全国の平均年収はおよそ20万~30万バーツ(約90万円~135万円)だ。経済の中心地であるバンコクだけをとっても30万~60万バーツ(約135万円~270万円)である。(※2025年CEIC調べ)

 

つまりダムドコンプリートカーは、この地では真のプレミアムカーとして位置づけられているのだろう。ユーザーは単なる移動手段としてではなく、その価値や世界観、そして性能に惹かれてダムドを手にしている。

 

もちろんリセールバリューの高さという費用対効果も無視できない。しかし、それは“信頼耐久性”が高い証であり、時間の経過とともに価値が揺らがない“普遍的価値”を認められている証だ。いかにBEVに象徴される新興勢力が押し寄せても、日本には世界に誇るセンスや技術があり、それを取り巻くカルチャーもある。海を超えたタイでは、ダムドはその象徴として捉えられている。

住宅街に溶け込む
濃密なJDMワールド。

ダムドカルチャーを含めたJDMカルチャーを、より濃密に発信している場がある。セキュリティゲートが設けられた住宅街で、一軒家をふたつ使って営業するジムニーショップ・タイランドだ。TPMからダムド製品を仕入れながら、ジムニーにまつわるJDMカルチャーを詰め込んでいく、いわゆるジムニーに特化したカスタムショップである。

 

足まわり、マフラー、グリルなど部屋ごとに細かくジムニー用パーツが収納され、家のそこかしこに看板やミニカー、カーグッズなど日本のモノがずらりと並ぶ。まさにクルマ好きにとってのおもちゃ箱だ。ここなら、現地の人たちが日本のカルチャーにドップリと没入することができるだろう。それでも、どこかにタイらしい空気も匂わせる、そのバランスがとても心地いい。TPMに加えてこの空間からも、タイ全土に向けてダムドカルチャーが――ひいてはJDMが発信されているのだということを知った。

 

この日、偶然にもジムニーショップ・タイランドを訪れていたユーザーは、「ダムドが大好き!」と満面の笑みを浮かべ、ジムニーシエラのリトルDを誇らしげに乗っていた。単なるリトルDコンプリートではなく、トラックミラーやデューリーマーカーを組み合わせつつ、他ブランドのパーツも程よくミックスしたもの。そのセンスの良さに唸らされるばかりで、実際、シフォンアイボリーメタリックに黒バンパー&フェンダーというコーディネートは、タイの街並みに、そして荒野にも抜群に似合っていた。

世界に誇れるJDMカーカルチャー。

JDMとはジャパン・ドメスティック・マーケットの略であり、もともとはアメリカにある日本仕様車、または彼の地で日本仕様にカスタムしたクルマのことを指す言葉だった。日本車全般をそう括ることもある。それは、決してスポーツカーのためだけの言葉ではない。日本の技術とセンスをもってさらに魅力を高めたものはメイド・イン・ジャパンのJDMカーであり、立派なカルチャーだといえる。それを雄弁に語っていたのが、タイに息づく日本のカーカルチャーであり、その象徴として走るダムド・カーだった。

 

世界中にそれぞれの暮らしがありカーライフがあり、ダムドとの関わりがあることも知った。それが、次世代のカーカルチャーを創造していく確かな原動力となっていくことも――。

 

ダムドはその重積を胸に、世界というフィールドへと、静かに、そして力強く歩みを進めていく。

 

文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa

写真:真壁敦史
Photos : Atsushi Makabe