logo:DAMD

エアロパーツ、ドレスアップのダムド|DAMD Inc

DAMD JOURNAL

DAMD JOURNAL _079

「メイド・イン・児島」のモノづくり。

graphzero meets DAMD.
Vol.02

カッコいいデニムを見ると、なぜかワクワクする。
「糸一本からこだわり抜いてつくった」
って聞くだけで、心はもうノックアウトである。
そんな「こだわりの塊」が生まれる場は、
とってもフレンドリーに僕らに寄り添ってくれる。
「いいモノを選んで長く使う精神」は、
こんなにも心を晴れやかにさせてくれると知った。

 

スローファッションの魅力を説く。

国産デニムの聖地として知られる岡山県倉敷市児島で活動する「graphzero(グラフゼロ)は、ひとつのブランドを超えて、地場産業を世界へ広める文化の担い手となった。

創業者である鈴木徹也さんは、異業種からの転身で繊維業を営む家業を手伝うようになり、やがてオリジナルブランドの発足へと舵を切った。グラフゼロは座標軸の原点を示す。ゼロ地点から「メイド・イン・児島」のモノづくりを提唱した。

創業は2004年。世界中が大資本による大量生産・大量消費を是とするファストファッションに傾倒していく最中で、それとは真逆の方向に可能性を見出したのだった。その視点は、卓越した技術力に後押しされて、じわりじわりと大きくなっていく。

いまでは従業員50名弱を数えるデニム・ファクトリーへと成長した。広大な工場には、あらゆる服飾品をすべてをインハウスで生産する体制が整っている。看板商品はやはりグラフゼロのデニムだ。それは世界的なブームも手伝って、いまや日本はおろか世界中からのオーダーが絶えない。今では世界23カ国に輸出するようになった。

お気に入りのデニムを“10倍楽しむ”ために。

「“デニムを10倍楽しむ”を提案し、実践しようとしています。ジーンズにしてもジャケットでも、エイジングを楽しみながら、ゆうに10年、20年と着ていただけるもの。だからこそ、私たちができることはたくさんあります。購入して終わりではない。洗いかたをご説明し、メンテナンスや補修も当社で実施します。また生地や縫いかたへのコダワリをご説明をしながら、生産工程をすべて見ることができるような工場にしています」

その提案の意味は、すなわちモノ消費からコト消費への転換である。「好きな服を買う」というモノ消費行為だけにとどめず、それを所有し着込んでいくことで得られる体験や経験を重視する活動だ。それは自社製品に絶対的な自信を持ち、長年にわたって使い続けるモノを提供するグラフゼロならではの施策だと思う。

実際、彼らのデニムは、購入後6年間の保証が設けられ、たとえ保証以外の部分であっても何かあれば生産工場での補修を請け負う。さらにグラフゼロ・ライブファクトリーがある。端的にいうと「オトナの工場見学」である。大人だけに限らず、老若男女問わず、誰もがデニムが生まれる工程をすべて見学できる体制が整う。

そこでは、生地の状態からひとつの製品として完成するまで、一気通貫で生産できる体制が整っていることがわかる。デザイナーやパタンナーが描いた型紙が原点にして出発点だ。裁断工程では自動制御の機械によって、瞬く間に切り抜かれていく。しかし、すべてがオートメーションではない。特にセルビッチデニムは生地幅が狭く、歪みが多いために全自動での扱いが難しく、ひとの手で1枚ずつ生地幅(耳)を揃えながら裁断している。

そこには最新鋭の機械と、職人技との融合がある。縫製の現場もまた然り。生地の厚さや製品によって何種類ものミシンを使い分ける。最新のミシンを使いこなすためにも、機械に頼ってはイイモノができない。「手の慣れ、ミシンのセッティング」など経験が必要な工程だという。

なお、裁断などで発生した余分な生地は、キーケースなどの雑貨やペットの服などをつくるのに利用される。それすらできない糸クズなどは、自動車メーカーの生産工場に送り、それはシート内のクッション材などに活用されるようだ。サステナブルやSDGsが叫ばれるいまの時代よりも前から、グラフゼロはまるで無駄のないモノづくりをしている。

「メイド・イン・児島」のダムド。

デニム製品ばかりが、グラフゼロではない。生地の柄から自由自在に彩りを加えることができる原反プリント機や刺繍機に加え、シャツ・ニット縫製工場、ホールガーメント編み機などのインフラが整い、あらゆる服飾品やグッズを生産できる体制が整っている。

そんな生産体制を活かして、新たなグッズが生まれようとしている。それがダムドとのコラボレーショングッズだ。グラフゼロとダムドは、つくるモノはおろか歩んでいる道もまるで違いながら、デニムとデフエースが妙に馴染むようにモノづくりに関する互いの思想に近しいものがある。だからこそ、今回のタッグが成立したのだろう。

なにしろ、モノ消費だけでなくコト消費の魅力を訴えるのはダムドもまた同じだ。

昨今はトキ消費という時代へ突入している。「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない消費行動のことを指す。グラフゼロの製品を求めて、あるいはお気に入りのデニムを味わうためライブファクトリーに赴くのは、まさにトキ消費である。

トキ消費はそれだけにとどまらない。2025年10月18日(土)に開催されるダムドの公式ファン感謝祭「DAMD PARTY 2025」に、オリジナルグッズのほかにデニムなども満載したグラフゼロのデフエースがやってくる。お気に入りの愛車を彩る一手を、さらには一生モノのデニムにも出会える可能性を秘めた「その日」「その場所」「その時間」でしか味わえないチャンスだ。もちろん、たくさんのダムドユーザーが訪れるので、皆さんを愛車を参考に「お気に入りの愛車そのもの」を見出すことだってできるかもしれない。

 

協力:グラフゼロ
Cooperation : graphzero
086-441-1457

文:中三川大地
Text:Daichi Nakamigawa

写真:真壁敦史
Photos:Atsushi Makabe