DAMD JOURNAL _084
80’sを羽織る。DAMD FREED ISOLATOR
この街で欲望に甘えていたくはない。
この街で自由をもてあましたくはない。
僕たちのために生きられるのなら
なにも、怖くはない。
雨あがりの夜空に。
僕は街中に立っている。
この雑然としたガラスの都会では
誰もがぶかぶかの鎧をまとって
歩きにくそうにしている。
他人の成功に怯えるように目を背け
容赦なく照らすネオンに負けじと
見栄と欲望をつくりあげている。
そんな鎧なんて、もう要らないんだ。
フリード・アイソレーターという名の
ブルージーンズに着替えよう。
レトロとモダンをぎゅっと凝縮して
カジュアルに、だけど力強くたたずむ姿と
天使のウィンクのような顔つきには
一瞬にして胸を射抜かれる魔力がある。
ただの高級ではないし虚栄でもない。
ミニバンとしての機能を満足させながら
スニーカー感覚でブルースを奏でる
はいからさがある。
ほとんどの場合
おとなのいうことは正しい。
でも、僕は僕だからこそ、見たいものがある。
知りたい景色がある。
フリード・アイソレーターが
小気味のいいビートで背中を押す。
それはまるでときめくスキップ・ビート。
そのすべてが自然で、そのすべてがやさしい。
僕たちが生きる多様なカルチャーを
僕たちのやりたいことそのものを
やわらかく、あたたかく包みこんでくれる。
頼り甲斐のある強さを訴えかけながら。
そしてそれは、街のどこにいても
決してかき消されることはない。
ホンダ・フリードは人びとの暮らしに寄り添う
とってもカジュアルなミニバンだ。
日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマだという。
アイソレーターというモビルスーツを羽織るだけで
その笑顔の数と深みはさらに増えていくことを知る。
世の中の仕組みはどうなっているのか。
どうすればもうちょっと上手く生きられるのか。
ずっと、それを考えていた。
それを知ることでおとなになっていくのかもしれない。
晴れたらとても幸せ。でも、雨が降っても楽しかった。
おとなにならなくてもいいんだ。
ショパンの調べがそっと、そう教えてくれた。
幸せはすぐそばにあるんだよ、という概念も。
それを知ったとき、少しおとなに近づいた気がした。
フリード・アイソレーターにのって。
どこへでも、どこまでも行こう。
ずっと、ずっと。いつまでも――。
文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa
写真:真壁敦史
Photos : Atsushi Makabe

















