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エアロパーツ、ドレスアップのダムド|DAMD Inc

DAMD JOURNAL

DAMD JOURNAL _088

心震わすフラッグシップ。 STEP WGN RESONATOR

 

威風堂々としたワイルドな顔つきに
絶妙な塩梅のクラシカルテイスト。

このレゾナンス・クルーザーは
頼り甲斐のあるたくましさをもって
家族や仲間たちをやさしく強く包み込む。

ダムドにとって新たな挑戦となった
「ステップワゴン・レゾネーター」に
懸けるつくり手たちの想いを紐解く。

「ミニバンという激戦区でダムドらしさを表現したい」

 

「日本のマーケットでは主軸といえるミニバンというカテゴリーで、どこまで自分たちのデザインや世界観を受け入れていただけるか。そこに挑戦したいと思いました。どうせやるからには、バットは思いっきり振ったほうがいい」

 

ステップワゴンは発売からもう2年半が経っている。
ダムドとしては、このタイミングで新製品を出すことに最初は躊躇もあったという。
しかし、ダムドの代表を務める面髙 翔五の言葉通り、彼らはバットを思いっきり振って、新しいコンプリートカーであるステップワゴン・レゾネーターを生み出した。この6年あまり、ジムニーを象徴的存在としながら軽自動車のラインナップを拡充してきたダムドにとっては大きな挑戦だ。ミニバンというカテゴリーへの進出にして、価格帯から捉えてもフラッグシップカーである。

 

安直な思いつきから生まれたものではない。WR-V リヴァーブ、フリード・アイソレーターに続くホンダ三部作と呼べるものであり、これら2モデルと同じデザインテイストを持っている。ホンダが提供する一連のモデルに対して、ヴィンテージ・アメリカンの世界観を与えたという。発案したのは、ダムドでデザイナーを務める徳田亮介だ。

 

「世の中のミニバンがモダン一辺倒で、どこかギラついているモデルも多いなかで、ステップワゴンはいかにもホンダらしく直線基調で、シンプルなデザインを貫いている。だからこそ、それをキャンパスだと捉えて、いままでにないカッコいいミニバンをつくりたいと思ったんです。そこで、“どこか懐かしく感じるネオクラシックっぽさと、アメリカンワイルドを組み合わせた世界観”を想定しました。」

主張と調和を織り交ぜる“フェイスチェンジ”。

 

それはボンネットカバー、グリルを含めたフルバンパー、そしてルーフガーニッシュで構成されるダムド流のフェイスチェンジとなった。ひと目みてダムドだとわかる確固たる存在感と、抜群の個性を発揮しながら、どこをどう切り取ってもまったく違和感がない。確固たるダムド節を持っていて、徳田がいうヴィンテージ・アメリカンっぽさを匂わせる。

 

「安直なフェイスチェンジではない。むしろ顔しか変えないからこその難しさがある。もとのデザインに馴染ませながら、無理くり後付けした雰囲気が出ないようにいつも心がけています。もちろん、前後左右まで完璧に仕上げる選択肢もあります。でも、そうすると価格的な敷居が上がり、市場に浸透させるのは難しくなる。得てして、つくり手の自己満足になりかねないと思うんです。なるべく気軽に安価に、気に入ったカタチを楽しんでいただきたいと考えた結論として、今回のフェイスチェンジへと帰着させました」

 

とはいえ、ノーズの長さやボディラインの微妙な丸みに対して、このようなスクエアな顔つきを馴染ませるには、デザイン的な苦労は多かったようだ。ゼロから新型車を描く作業とはまったく別の難しさがある。実車を何度も眺め、計測し、あらゆる方向から吟味して主張と調和を織り交ぜなければならない。間延び感とか違和感の出ない絶妙なラインを模索しては、ひとつずつラインを描いていった。

 

そして、いかに理想像を描いても、文字通り「絵に書いた餅」で終わっては製品として結実しない。フレームの構造やヘッドライトの配線、運転支援システム(ホンダセンシング)に使われるカメラやソナー類などを吟味しながら「量産市販品として結実するフェイスチェンジ」へと導いた。

「デザイナー×エンジニア」の両輪体制。

 

「私が描いた提案がたとえ非現実的であったとしても、“無理だ”と切り捨てるのではなく、スタッフが一丸となって“どうにかしよう”としてくれる。いつも背中を押してくれる開発チームがいるから、強気になって自分なりの主張を提案することができます」

 

と、徳田が述べるように、ステップワゴン・レゾネーターを含めた一連のダムドカーは、決してデザイナーのチカラだけではなし得ないものだ。たとえば今回の企画に寄り添って二人三脚でカタチにしてきた企画開発部の冨田征孝がいる。徳田が描いたデザインを、具体的な製品に落とし込む設計者である。

 

「運転支援システムに使われるカメラやレーダーを活かすことは大前提。強度はもちろん、耐熱性、耐候性、防錆性などを含めて、自動車メーカーと同等の信頼耐久性を持たせるべきで、とにかく安全かつ安心してカスタムを楽しんでいただけるような製品開発を心がけています」

 

自動車メーカークオリティとは、取り付けやすさも含まれる。これは純正車両のように大規模生産工場で生まれるわけではない。全国各地のどこの販売店(整備工場)でも容易に装着することができて、チリ合わせなどの品質を担保することで、はじめてステップワゴン・レゾネーターとして走り出すことができる。そうした意味で冨田は、ユーザーの手元へと届くまえの流通、製作過程すべてを俯瞰して、製品を設計開発するキーパーソンだ。

 

ヴィンテージ・アメリカンの世界観を表現するうえで欠かせないのが目つきだろう。ステップワゴン・レゾネーターを含めたホンダ三部作は、純正のLEDヘッドライトをハロゲン式に変えている。いまや車両側のコントロールユニットが灯火類のすべてを掌握する時代である。単純に置き換えてはエラーが出ることは必須で、だからこそ冨田は車両の解析をしながら変換ハーネスを製作して、ハロゲンライトを当てはめた。

 

徳田が担当するデザイン領域での工夫もある。汎用品のハロゲンライトを使う以上、クルマのボリューム感に対して小さく見えてしまう。軽自動車なら問題のないサイズであっても、ステップワゴンに対してさらに威厳のある風格を持たせようとすると、絶対的なサイズ感が足りない。角形4灯にしたのはそのためであり、さらにライトのまわりにガーニッシュを設けたり、グリルのサイズを工夫するなどデザイン的な工夫を盛り込んだ。

ダムド流の“ビッグマイナーチェンジ”。

 

ダムド流の“ビッグマイナーチェンジ”。

冨田と徳田という両輪で描いたステップワゴン・レゾネーターは、ふたつの意味で「マイナーチェンジクオリティ」を持っている。ひとつは単なるカスタムカーという範疇を超えた「自動車メーカーが定期的に実施するビッグマイナーチェンジ」のようなデザイン的完成度の高さを持っていること。もうひとつは、信頼耐久性を含めて純正車両同等のクオリティを兼ね備えるということ。そこに確固たる自信を持つからこそ、冒頭で述べたように面高はこうして思いっきりバットを振ったのだろう。

 

レゾネーターの語源をたどると「共鳴器、共振器」という意味がある。彼らの言葉に耳を傾け、実車を前にすればなおさら、ステップワゴンで表現したダムドの世界観に心が湧き立ち“共鳴する”ひとは決して少なくないはずだ。このファミリー・レゾナンス・クルーザーは、家族や仲間たちすべてを飲み込んで、どこまでも走りたくなる相棒である。

 

文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa

写真:真壁敦史
Photos : Atsushi Makabe