DAMD JOURNAL _092
クロスビー・ビーモア・フォーエバー。 DAMD X BEE BEMORE
梅雨晴れに、澄み切った空。
ひっつめ髪を解いて風を通す。
吸った息が、お腹のなかまで落ちていく。
空気の向こうに宝石のような河原がみえた。
こんなに豊かな一瞬があることを
クロスビー・ビーモアが教えてくれた。
目を閉じて生きるのは簡単だ。
見えるものを誤解したままでいいのなら。
誰かになろうとするのは難しい。
でも、自分自身で居続けるというのなら
案外、肩の力を抜くだけでいいのかもしれない。
窓を開ければ風が通り、陽が肌を照らす。
知らない道を走れば、新しい景色に出会う。
ただ、それだけなのに、心がすこし軽くなる。
目を見開いて、ありのまま感じるまま、生きていこう。
クロスビー・ビーモアは四季の移ろいを教えてくれる。
いつも私を安心させ、自然と笑顔にしてくれる。
たとえ特別な日じゃなくたって
充足感はそこらじゅうに落ちていた。
幸せは、大きな出来事のなかだけにはない。
なにげない朝や、夕暮れの帰り道、
季節の匂いに気づく、その一瞬にある。
見た目もしぐさも、とってもカワイイやつだ。
乗り込めば、不思議なくらい気持ちが解けていく。
このまえ買ったお気に入りの服を纏って、
気の向くまま、どこへでも一緒にいこう。
いつまでも、一緒に生きていこう。
火傷しそうな高揚感なんて、ただのまやかし。
初恋の味なんて、過去を美化しただけだ。
いまなら笑い話にもできる。
でも――甘いだけではなく、刺激だけでもない。
月日が経つほど、愛おしくなるものがある。
車高を上げただけのワゴンではない。
「オンとオフを両立」というのは、たぶん道じゃない。
もしかしたらそれ以上に起伏のはげしい、
私の日々の生活であり、気持ちなのかもしれない。
乗用車の繊細さに、SUVのおおらかさ。
それは私をどこまでも許容し、優しく包み込む。
ときにはワイルドにエスコートしてくれる。
「紳士とは、奪うより与える人のことである」
劇作家ジョージ・バーナード・ショーは語った。
誇示するのではなく、誰かのために使う。
そのあり方にこそ、本当の品格が宿るのだと思う。
クロスビー・ビーモアは、そんな紳士だ。
そして紳士は、新しさをひけらかさない。
つぎはぎしたジャケットであっても、
時間を重ねた誇りとして、クールに着こなす。
私にとってクロスビー・ビーモアは、
きっとそういう存在だ。
どれだけ時が流れても、少しくらい傷が増えても。
私がたいせつに時間を共有する限り、
この紳士は、いつまでも私のそばにいてくれる。
文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa
写真:真壁敦史
Photos : Atsushi Makabe












