DAMD JOURNAL _87
「めぐり合い、人に寄り添う」 憩いのアウトドア・フィールド。 the 508
アウトドアで思いっきり遊ぼうとしたら
「かくあるべし」と変な肩肘を張ったり、
敷居の高さを感じて躊躇する必要もない。
アウトドア初心者からベテランまで
『the 508』があなたを待っている。
アウトドア・アクティビティに限らず
多種多様なカルチャーを支えてくれる場だ。
十人十色の楽しみかたが融合して
循環すれば、新たな世界が切り拓ける。
ふらりと立ち寄るかのように
気軽にアウトドア・アクティビティを。
日常の喧騒から解放されて、ふっとひと呼吸。そんなひとときを楽しむために、フリード・アイソレーターがいる。ダムドがある。前回、お伝えしたYOKAのアウトドア・プロダクトを愛車に詰め込めば、より濃密な時間を過ごせるはずだ。お気に入りと一緒に、いままで見たことのないものを見にいこう。
YOKAやダムドのことを理解し、キャンプを含めたアウトドアカルチャーを含めて志をともにする『the 508』という場がある。富士五湖のなかで数多くの芸術作品とゆかりが深い景勝地として有名な山中湖畔にあるオートキャンプ場だ。
いや、オートキャンプ場とは括れないほどのひろがりがある。山のふもと付近にある、およそ1万5000坪ある土地を活かしたキャンプスペースに加えて、こうして湖畔沿いでキャンプすることもできる(要予約)。たとえ、キャンプまではしなくたって、センターハウス『撫岳荘(BUGAKUSOU)』が宿泊施設を兼ね備えている。湖畔沿いを通る国道413号に面しているので、本格的な四輪駆動車ではなくても、本格的なキャンプギアを持たずとも、ふらりと立ち寄れるような場所だ。
もっといえば、キャンプや宿泊をしなくてもいい。
ここには『みちて、めぐりて / THE FLOWCAFE』という瀟洒なカフェと、富士山と山中湖を一望できる展望ラウンジを兼ね備えたサウナ施設『CYCL(サイクル)』も併設される。サウナこそ事前予約が必要ながらも、フラリと立ち寄って美味しい珈琲を呑んで、サウナで整うことができる。
アクティビティの好循環が
人と人とのつながりを加速させる。
『みちて、めぐりて / THE FLOW CAFE』、
そして『CYCL(サイクル)』。
これらの名前こそが『the 508』のコンセプトを巧みに表現していると思う。
「CYCL(サイクル)は、つまりは循環のこと。サウナでととのい、血液が循環するという直接的な意味だけではない。キャンプしながらサウナを利用し、カフェにいく。その逆もまた然り。ここにあるさまざまなアクティビティで、“めぐり合って”いこうよという願いを込めました。だからこそカフェの名前も『みちて、めぐりて / THE FLOW CAFE』。私たちがご提供する、さまざまなキャンプのカタチを含めて、個性の立つものたち同士でめぐり合って、高め合うような場所でありたいと思っています」
と、『the 508』のオーナーであり、大勢の仲間たちと一緒になって、この“循環”をつくり上げてきた高村東吾さんはいう。
それは「単に複合施設であるから便利、快適だ。」という表層だけのことを指すではない。主役は施設自体ではなく、それを利用する“人”だ。カフェのコンセプトには、それがしっかりと表現されている。
「人との出会いやご縁、つながりはもちろん、目には見えない確かな“めぐり”の感覚。やわらかくあたたかな時間のイメージ。肩の力を抜いて、流れに身をゆだねるようなリラックス感。それらを体現する場所でありたい (一部抜粋) 」
誰もが異なる趣味嗜好や得意技を持ち寄って『the 508』に集まり、それらが融合して、結果的にもっとワクワクするモノや事柄、アクティビティに発展していく。もちろん、ただひたすら癒しを求めて、じっくりと自然や、食事、サウナを楽しむだけでもいい。
キャンプ・カルチャーが
いままでにない“発明品”を生む。
実際、いまではこの湖畔を利用して、同じ趣味嗜好を分かち合う人たち同士のフェスやミーティングが頻繁に開催されている。それは音楽やクルマといった、代表的なカルチャーだけではない。
たとえばYOKAの七輪(YOKA SHICHIRIN++)を使って、それを中心に取り囲んで食事やお酒を楽しみながらキャンプをする人たちがいる。前回、お伝えしたYOKAの代表にしてデザイナー兼エンジニアである角田 崇さんは、自然発生的に芽生えたこの行為に着想を得て、七輪を中心に固定した立ち呑み用のテーブル(TACHINOMI SHICHIRIN TABLE)を製品化した。まさに山中湖畔の“サイクル”が生んだ発明品だ。これからも、七輪を中心に据えたアウトドア・プロダクトを拡げていきたいという。
生まれ故郷の環境を活かし
数多くの“笑顔”を生む場所へ――。
「センターハウスは60年以上も前に建てられたもので、だから僕は『the 508』を始めるにあたってコツコツとセルフリフォームしたんです。当初、お金はかけられないし、でも好きな空間にするための妥協はしたくなかったから、できるだけ自分でやって、ときに仲間たちに手弁当で手伝ってもらいました。リフォームはいまも現在進行形です」
まるで少年のような表情で高村さんは「自分がたいせつに守り、いまも育てている『the 508』という宝物」を案内してくれた。この数字は、もともとはこの地の住所だったという。場所を指す意味でしかない無機質な数字だ。しかし、単なる番地である508から『the 508』へ。それはこの地で生まれ育ち、誰よりもこの地の魅力を知る彼が、ひとりでも多くの人にそれを訴え、憩いの場にして欲しいという願いのようだった。
「ほら、ここからの景色を見てください。あともう少し雲が晴れたら、富士山に加えて、南アルプスの北岳と間ノ岳とが並んでいる姿までを一望できる。日本の山の標高、トップ3が並ぶ姿を眺めることができるんです――」
雄大な富士山に加えて、筆舌に尽くし難いほど美しい光景が、高村さんを含め、この地に魅せられた人たちの、すべての想いを代弁していた。
文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa
写真:真壁敦史
Photos : Atsushi Makabe
the 508
https://the-508.com
■ Special Thanks
YOKA
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AVO TURBOWORLD
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