DAMD JOURNAL

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国境を越えて広がるジムニーの輪。

 

MY JIMNY DAY 2026

in MALAYSIA

~ EVENT REPORT ~

 

 

思い思いの装飾を施し、キャンプギアを詰め込んだ
約100台ものジムニーがマレーシアの避暑地へ。

この国では
最大規模だといっても過言ではない
ジムニーだけのキャンプイベントが開催された。

それはジムニーの魅力を仲間たちと分かち合い
ともにライフスタイルを豊かにしたいという

一人ひとりの想いが結実した、特別な空間だった。

 

マレーシアで100台のジムニーが集った。

 

ジムニーは海を渡り、山を越え、国境さえも飛び越えて、愛されながら走っている。

 

マレーシアの首都クアラルンプールからクルマで2時間半ほど。ティティワングサ山脈にあるフレイザーズ・ヒルのキャンプ場に集ったおよそ100台ものジムニーが、そんなことを教えてくれた。

 

2026年9月18日~20日、この地で「MY JIMNY DAY 2026」と掲げられたキャンプイベントが開催された。マレーシア国内だけでなく、隣国のタイやシンガポールから走ってきたユーザーもいる。主催はAdoさん、Benさん、Angusさんの3名。普段、彼らはマレーシア各地やシンガポールなどで、それぞれジムニーのコミュニティを運営している。彼らのつながりを軸とした初の大規模イベントとして、「MY JIMNY DAY 2026」が生まれた。

「ジムニーのコミュニティは、
ほかのカークラブとは少し違うんです」

 

と、Adoさんはいう。マレーシアでは、ジムニーは日常の移動手段というよりも、趣味性の高いプレミアムなクルマとして受け止められている。2018年に登場し、現在もグローバルで販売されるJB74型を例にあげると、現地価格は158,900リンギットから(2026年)。日本円では600万円を軽く越えてくる。

 

決して気軽に手にできる価格帯ではない。ともすれば、所有すること自体がステータスになっても不思議ではない。しかし、Adoさんによれば、このコミュニティにはそうした空気がほとんどないという。ここに集う誰もが、ジムニーならではの個性や、ジムニーとともに過ごすライフスタイルに魅力を感じて、このクルマを選んでいる。そのうえで、性能や豪華さ、カスタム内容を競い合うのではなく、「純粋にみんなで集まることを楽しみ、仲間とのつながりを大切にしている」人たちばかりだという。

 

「ジムニーは単なる移動手段ではない。もちろん、一般道も、ハイウェイも、オフロードだって我慢なく走れる。そもそも速さを求めていないので、渋滞だって楽しい。それにジムニーを手にすると、キャンプ、ピックルボール、グルメツアーなど、同じ趣味を持つ仲間たちと出会い、親睦を深め、そこからさらに新しいつながりが増えていく。ジムニーを買ったことで、ライフスタイルそのものが変わっていくんです」

ジムニーライフを支える
ダムドのカーカルチャー。

 

そんなジムニーライフにとって重要なピースがダムドだという。ここに集った100台近いジムニーの多くには、ダムドのボディパーツやアイテムが取り入れられている。オーナーたちは「ダムドを選んでよかった」「このスタイルが好きだ」と、誰もが満面の笑みで話してくれる。

 

今回、ダムド自身はジャパン・ブースとして、他社とコラボするかたちでブースを設けた。「DAMD MALAYSIA」という特別ステッカーをダムドユーザーへと届けたほか、3台のダムド・アワードを選出。受賞者にはTシャツやアワード・プレート、リトルDをモチーフにしたオブジェなどを進呈した。

 

会場を訪れたダムド代表の面高翔吾は、マレーシアを軸としてアジアに広がるこの偉大なカルチャーに感謝を抱き、最大の敬意を表して、こう述べる。

 

「日本の皆さまと変わらない“ジムニー愛”の大きさ。そして、数千キロも離れた場所に生きる皆さまが、ダムドというブランドを知り、選び、愛用してくださっているという事実は、私たちにとって奇跡のようなこと。私たちが日本でつくり、送り出してきたものが、遠く離れたマレーシアで誰かの愛車の一部となり、そこに喜びを見出してくださっている。そのことに胸がいっぱいになりました。今回、感謝の意をお伝えできたことだけでも、今回の旅には大きな価値がありました」

人と人とがつながり
自然とも一体になった。

 

ジムニーを軸に、ときにダムドが個性を添えて生まれる多様なライフスタイル。「MY JIMNY DAY 2026」は、その象徴なのだろう。実際、2泊3日におよぶこのキャンプイベントには、さまざまなライフスタイルを背負ったジムニーが、たくさんの笑顔を乗せて駆けつけた。オーナーたちは手際よくテントやタープを組み立て、思い思いのスタイルでキャンプを楽しむ。やがて、そこかしこで宴が始まり、ゆるやかに前夜祭の空気に包まれていく。

 

夜が深くなるにつれて、初対面のオーナーたちも打ち解け、人の輪も笑い声も少しずつ大きくなっていく。キャンプファイヤーを囲む大団円は、国境や性別、年齢を越えて人と人とをつなぐジムニーの力を、あらためて強く感じさせる光景だった。

 

2日目の午後は突然の大雨に見舞われる。至るところに大きく深い水たまりができて、道はまるで川のように水が流れている。日が沈むころまで降り続いた雨は、フレイザーズ・ヒルの景色を、その空気を一変させていった。

 

それでも、悪天候をネガティブに捉える人は、誰ひとりとしていなかった。濃霧が立ち込める、しっとりとした濡れ艶の景色に、寂しさや悲壮感はない。それぞれが静かに、大自然に身を任せ、夜露に溶け込むようなひと時を過ごす。前日とはまったく違うキャンプの楽しみかたを、参加者全員が自然と選んでいるような、不思議な一体感がそこにはあった。

 

最終日には天気が徐々に回復し、エンディングを迎えるころには、イベント自体の成功を祝うかのように太陽も顔を出してくれた。空模様と重なるように参加者たちは次第にエネルギッシュになり、ダムド・アワードの発表と表彰も大いに盛り上がった。間違いなく、大成功を収めた「MY JIMNY DAY 2026」の光景が、そこにはあった。

「世界中のジムニーユーザーと
交わり合い、分かち合いたい」

 

Adoさんたちは、今回の成功に充足感を浮かべながらも、早速、もう前を見ている。次回は倍近い200台規模にまでイベントを拡大したいという。また、マレーシアにとどまらず、グローバルに成長を続けていきたいと話す。

 

「南アフリカでは約2000台規模のジムニーイベントがあるそうです。それは私たちだって決して不可能ではないと思う。今後、世界各国のオーナーをマレーシアで招待したり、自分たちもマレーシアのジムニークラブとして海外のイベントに参加していきたい。国ごとに閉じてしまえば、それぞれのカルチャーもその国だけで完結してしまう。だからこそ、色々な国と交わりながら、異なるカルチャーに触れ、融合させていきたい。とにかく、ジムニーの魅力を分かちあう仲間たちを、世界中に増やしていきたいですね」

 

クルマをきっかけに、国境を越えて仲間たちを増やしていく。それこそが「MY JIMNY DAY」の目指す未来だ。その未来を、ジムニーの丸い目が燦々と照らしている。

 

文:中三川大地
Text : Daichi Nakamigawa

写真:伊勢馬場健次
Photos : Kenji Isebaba